こんにちは。「だいち」です。

僕がまだアーリーリタイアやセミリタイアなんて言葉を知らなかった20代の頃、60歳の定年まで働いて、退職したら年金で暮らすのが当たり前の時代でした。
ある程度の規模の会社で定年まで真面目に勤めれば、年金で悠々自適に暮らせる夢のような時代だったのではないかと思います。

上の方まで出世した一部の人はコネや斡旋で取引先に再就職したりしていましたが、大半の人は定年退職して、そのまま会社を去っていかれました。
20代に僕にとって、父親よりも年齢が上のオジサン達にさほど興味がなかったこともあり、オジサン達がその後どうなったのかはわかりません。

そんなオジサン達の中で印象に残っている人が一人います。
20代の半ば頃に同じ部署にいたオジサンです。

多分、1年か2年くらい一緒の部署にいて、そのままその部署で定年退職を迎えられました。
出世には無縁というか、ご本人もそういうものに全く興味がないような様子で、風貌も勤め人というより職人さんという感じでした。
いつも無口で穏やかな感じの優しい人で、僕は決して嫌いではありませんでした。

どういう経緯だったかは忘れたのですが、20代の僕がその方に定年後はどうするのか直接聞いたことがありました。
定年後は故郷に帰って、のんびりと大工のような仕事をするんだとニコニコ笑いながら教えてくれたのを覚えています。

その方は見た目の職人さんそのまま、趣味が大工仕事で、噂では腕前はプロ級と聞いたことがありましたので十分理解できました。

やっと定年を迎えて、大好きな趣味に専念できる喜びでいっぱいだったのでしょう。
退職の日も、照れくさそうに挨拶して、満面の笑みで去って行かれました。

その後のことは全くわかりませんが、僕はハッピーリタイアメントという言葉を聞くと、今もそのオジサンを思い出します。